ミシュランの「ビブグルマン」って、ご存知ですか?

 

グルメ情報満載の「ミシュランガイド」に導入された評価指標で、「5,000円以下(サービス料、席料含む)で食事ができる、おすすめレストラン」と定義されています。

ビブグルマンは、三つ星、二つ星といった 従来型のミシュランの 星の評価からは 外れるものの、安くて コストパフォーマンスのよい店舗に 与えられる印で、いわゆる「安くてコスパのよいオススメの店」といった位置づけかと思います。
実際、ビブグルマンで選ばれたお店を眺めると、料理に一定の品質を保ちつつも、気軽に足を運べる 個性派レストランが目白押しです。

そのビブグルマンを取得している 京都のイタリアン「クレメンティア」に、本日ランチでお邪魔しました。

テーブル席も備えていますが、このお店は、カウンター席が 特にお薦めです。
カウンター席からは、イケメンシェフたちの 鮮やかな手さばきが、一望できます。
まるで魔法をかけたように、次々と繰り出される、芸術的なお皿の数々。
盛り付けも、味の作り方も、手がこんでいて、まさにアートと呼ぶにふさわしかったです。
カウンター席のすみっこには、ちいさなミシュラン人形が鎮座していました。

クレメンティアでは、毎月テーマとなる食材が、変化します。
先月のテーマは、フォアグラでしたが、今月のテーマはホワイトアスパラ。
テーマ食材の他にも、例えば今の時期なら柑橘類や新しょうがといった具合で、プレートの中に、旬の食材がふんだんに盛り込まれ、共演していました。

ちなみに、今月私がいただいたスープは、デコポン果汁の中に、ミルクプリンが座っており、隣にクレソン、上に新しょうがの千切り、お皿の周囲には香ばしく煎られたナッツのクッキーが添えられていました。
ナッツクッキーは、スープをいただきながら、途中でスープの中に入れて、香りの変化を楽しむために、お皿の周囲に配置されたのだそうです。
ポタージュ風のスープにはよく出会いますが、フレッシュな 新ショウガの千切りを 組み合わせた斬新なスープは初めてでした。生のショウガだから、辛味が強いのかとおもいきや、それほど舌をさす味でもなく、スープ全体の味を引き締めるという、粋な仕事をしていました。

なぜ、このような組み合わせになったのかと尋ねると、「たまたま食材を探しにいった時に 新しょうがが出ていて、いいなぁと思ったから」、とのこと。驚くような食材の組み合わせが、豊かな風味を創りだし、味の変化も豊富で、最後の一口まで飽きることなく楽しめたことには、ただただ驚かされました。シェフも極めれば、アーティストと呼ぶにふさわしいのだと、実感。

クレメンティアでは、”地産地消”をコンセプトに、近江牛や、見事なアスパラなど、シェフ出身地の滋賀で発掘された、良質な素材も使われていました。
料理が、ただ作られてサーブされるだけでなく、その食材の生い立ち、調理のプロセスでのこだわりや工夫といった、料理に関する逸話を聞きながらいただけるのも◎。

ちなみに、クレメンティアは、再訪する方が多い、こぢんまりとしたお店、という印象です。私の隣で会食していた方々も、リピーターの方でした。器も、お知り合いの方に拵えてもらった手作りの作品を使うなど、細部までサービスが行き届いています。お洒落な雰囲気で、お料理も独創性に満ちていて、且つ美味なので、ご家族やご親友との会食にも、おすすめです。

なお、ぐるなび上の情報には、開店時間が「11:30~」とありますがこちらは誤りで、正しくは「12:00」。お店のHP上にあるランチの時間が正しいです。
予約時に、コースを聞かれます。
メイン料理をつけるかどうかで、価格が変わってきますが、全体のポーションは、変わらないそうですので、メインをつけたからボリュームが増えるというわけではないとのこと。
複数名で、複数種類のパスタを注文すると、それぞれを人数分に分けてサーブしてくれるので、一度のランチで複数種類の味を楽しむことができるという、心遣いも粋です。

あと、基本的に、シェフがお二人で、調理やサーブをはじめとする、店内の全てのきりもりをされているので、コース料理は、ランチタイムでも2時間ほどかけてゆっくり提供されます。
お急ぎの時は避けて、ゆっくり時間をとれるときに訪問するのが吉です。