毒蛇ヤマカガシにかまれて、
小学5年生の男の子が頭痛を訴え、
毒のせいで一時意識不明になる事件が兵庫県で起こり
話題になりました。

毒蛇に限らず、
身近に毒を持つ生き物は生息しており、
注意をしていても、
思いもよらない場所・タイミングで、
毒蛇やムカデに遭遇したりすることもあるかと思います。

中でも、
最も生活の中で身近な存在といえば、
蜂ではないでしょうか。

そこで、今回は、蜂に刺されたとき
どうすればよいのか、応急処置や
対処方法について、以下のトピックでお届します。

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蜂に刺されたらどうすればいい?

蜂に刺されてしまった場合、
まず行うべきは、
刺された場所からできる限り遠くへ離れて、
身の安全を確保することです。

姿勢を低くして
素早くその場所から離れます。

極力、現場から10~20メートル以上は離れ、
蜂が寄り付けない屋内に移動すればなお安全です。
可能なら人目に付くところまで逃げるのが望まれます。

気持ちが動転して、激しく慌てて逃げると
蜂を刺激するので、逆効果。

パニックに陥って大声をあげたり、
振り払うなどの威嚇行為も厳禁です。

さらに刺されてしまう恐れがありますので、
落ち着いて、静かに、すばやく退避して下さい。

何度も襲撃?近くに蜂の巣?

まず現場から逃げなければならないのには、
理由があります。

たとえ、刺した蜂が一匹で、
すぐにその場からいなくなったとしても、
油断はできません。

もし、蜂の巣が近くにあった場合、
別の仲間の蜂を呼んでしまう恐れがあるからです。

また、
刺された相手がスズメバチやアシナガバチの場合は、
攻撃態勢を整えて、その後
何度もしつこく襲ってくることがあります。

こうした状況の中、
蜂は針から毒液(興奮物質)を撒き散らします。

蜂の毒液は、警報のフェロモンの働きを持っていて、
仲間に危機を伝達することが可能です。

この毒液を介したメッセージにより、
他の蜂を呼び寄せる恐れがあるため、
現場にとどまることは、とても危険です。

仲間の蜂がやってきて、
次々刺されるという事態を回避するためにも、
まずは、身の安全を確保することが
大変重要になります。

蜂に刺された!病院は何科?

蜂に刺されたら、素人判断をせず、
できるだけ早く、病院を受診して下さい。

受診する診療科は、
「皮膚科」でよいでしょう。

初めて蜂にさされた場合は、
症状が出ても、通常1~2時間でおさまることが多いです。

引っかいて傷にしなければ、
化膿する心配もあまりなく、
大群のハチに一度に刺されないかぎり、
致命的になることはないと一般には言われていますが、
刺された結果がどのような症状として出るかは、
それぞれの体質にもよります。

人によっては、刺された直後から
ショック症状が現れ、
悪心・嘔吐、呼吸困難、血圧低下等を起こし
死に至ることもあるので、
くれぐれも油断はなさらないでください。

蜂の毒によって、
アナフィラキシーショックが出現する場合があります。

毒のまわりかたによっては、
命に係わる事態に発展することもあり得ますので、
特に、ショック症状が出た場合は、
大至急医療機関を受診して下さい。

蜂にさされた際に現れる症状
としては、自覚症状や、
周囲からみてわかる
他覚症状に関して、
以下のような特徴があります。

毒による影響がからだに症状として
現れてているかの判断に利用できます。

自覚症状(自分でわかる症状)

・口内の異物感
・口内の痺れ
・ものが飲み込みにくい(嚥下困難)
・息苦しさ(呼吸困難)
・両手足の痺れ
・息切れ・動悸
・悪寒
・耳鳴り
・くしゃみ
・めまい
・けだるさ
・腹痛
・尿便意

他覚症状(他人から見て把握できる症状)

・肌の紅潮
・肌の腫れ
・じんましん
・身体のむくみ
・息が苦しそう(呼吸困難)
・肌が青紫色になる(チアノーゼ)
・失禁
・意識がない

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蜂に刺された場合の応急処置は?

蜂に刺されたら、病院を受診すべきではありますが、
その場で自分でできる応急処置としては、
どのようなものがあるのでしょうか?

まず、
蜂に刺されたあとをチェックして、
針が残っていないか確認して下さい。

毒針が残ると化膿したり、
蜂窩織炎を起こすことがありますので、
もし、毒針が残っていたら、
速やかに針をとりのぞきます。

この時、
「毒袋」をつぶさないように気をつけて下さい。

蜂の毒は、
ハチの体の中で作られた化学物質です。

そして、蜂の毒は、
針とつながった「毒嚢」という
体内の袋に蓄えられられています。

そして、
バチの針は、毒嚢とつながっています。

そのため、
指でつまんでとろうとすると、
毒嚢を圧迫して毒が傷口に
入り込む可能性があるため逆効果になることも。

針を取り除くときは、
極力毒嚢を圧迫しないように、
ピンセットや毛抜きでつまんで、
刺された方向と逆の方向に、
静かに抜き取るのが良策です。

もし、
手近にピンセットがない場合は、
カード状のもので、横から払うように
取り除くのが無難です。

毒を吸い出すには吸引器が便利

毒針が抜けたら、
流水で患部を流して、傷口から
毒を絞り出して下さい。

蜂の毒液は水に溶けやすいため、
蜂に刺されたらときに
傷口を流水でよく洗い流すことは有効です。

この時、傷口から毒を絞り出します。

傷口の周囲をつまんで、
血とともに毒を抜くとよいでしょう。

実は、便利な道具があって、それは、
リムーバーと呼ばれる専用の吸引器。

ハチはもとより、
アブやブヨなど、刺す系の虫への応急処置として、
アウトドア派の方々の間ではよく知られており、
アウトドア用品店でも入手できます。

amazonなど、インターネット通販でも
手に入るので、いざというときへの
備えとして常備しておくと安心です。

リムーバーは、
安価なものから、そこそこ
値のはるものまであります。

ぜひ注目しておきたいポイントは、
携帯性と機能性。

いざというときの品ですから、
お出かけのときに携帯できて、
用途に耐える
機能性が求められます。

高い商品は高いなりに、
持ち運び用のハードケースや、
複数種類のアダプターが付属していたりします。

また、吸引時にも、ぴったりと肌に接して
吸引力も保たれるなど、
使い勝手のよい仕様になっているようです。

毒を口で吸うのは厳禁?

ところで、
昔はリムーバー(吸引器)など
身近になかったわけで、
蜂にさされたときは、
毒を吸って除去するといった方法を
思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、
口をつけて蜂の毒を吸い出すのは、
避けるのが無難。

というのも、
口の中に蜂の毒をふくむことになり、
傷口があったり、
歯茎などから毒が、除去しようとした人の
体内に入り込む恐れがあります。

傷口にアンモニア(尿)は効かない?

また、
蜂にさされたら尿をかけるのがいい
といった、おばあちゃんの知恵袋的な
話を思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、
これも、応急処置としては適切ではありません。

昔からいわれている
アンモニア水や尿は効果がありません。

もともと、
アンモニア水は、ハチの毒を中和したり、
毒性タンパクを変性させるので
蜂にさされた傷口に効果がある
と言われていました。

この点、
昆虫の毒針により刺されると
皮膚の下に毒が入ってしまいます。

しかし、
アンモニアは皮膚に吸収されないので
毒があるところに到達できません。

そのため、毒成分が皮膚内に入った後で
皮膚の表面に塗っても、効果が得られないのです。

むしろ、
薄いアンモニア水でも皮膚に塗るとかぶれやすく、
肌が負けてしまう人もいるでしょう。

また、オシッコは雑菌を含むので
患部にオシッコをかけると、
細菌感染する恐れがあります。

そのため、現在では、
尿もアンモニア水も、
使用しないのが無難との考えが
主流となったようです。

ムヒやキンカンは?ステロイドが必要?

蜂にさされると、
毒のせいで、強い痛みを感じることがあります。

局所の発赤やかゆみに対しては、
抗ヒスタミン軟膏(かゆみや腫れを抑える薬)や
ステロイド軟膏(炎症をおさえる薬)を患部にぬり、
氷のうなどによる冷湿布を行うとよいでしょう。

ステロイドを含む軟膏や
抗ヒスタミン軟膏は市販されていますので、
事前の準備として備えておくのであれば、
薬局に行って、薬剤師さんに相談するのがおすすめ。

かゆみどめとしては、
ムヒやキンカンなどが馴染み深いですが、
それ以外にも、効き目や年齢
(使うのが大人なのか、幼児なのか)に応じて、
適切な選択肢をアドバイス
してもらえるのがメリットです。

不運にも刺されてしまって、
今まさに困っていたり、リスクが高い状態であれば、
迷わず皮膚科を受診して、
医師に直接相談するのがよいでしょう。

症状に応じて、
抗ヒスタミン薬やステロイド薬の内服、
注射などが行なわれることもあります。

ショック状態になると、
輸液や酸素吸入をしながら
アドレナリンを注射することもあるようです。

特に、リスクが高いケースは、
多数のハチの大群に刺された場合だけでなく、
目を刺された場合。

加えて、
過去に何回か蜂に刺されたことがある人や
刺された時にじん麻疹や局所症状がひどかった人
も、注意が必要です。

目を刺された場合には、
早期の副腎ホルモン眼注が有効と言われており、
虹彩炎が強ければアトロピン点眼液を点眼する
という治療法もとられるよう。

応急処置後、
すぐ医師の治療を受けることで、
被害の拡大を防ぐことができるでしょう。

なお、
アナフィラキシーの既往歴のある人、
もしくはアナフィラキシーショックを起こす
リスクの高い人に対しては、
万が一、蜂などに刺された場合に、
命がおびやかされることを防ぐために、
医師の処方箋に基づいて自己注射できる
薬剤を処方してもらうことも可能な仕組みが
あるようですので、
不安が大きい場合は、万が一に備えて
相談してみるのもよいでしょう。

たかが、蜂、されど蜂。

いつ遭遇するかわからないリスクに対して、
日頃から応急処置に関する知識や
そのためのツールを備えておくことにより、
万が一蜂に刺された場合も、
すばやく対処し、
家族や自身の身を守ることができます。

ちなみに、
個人的には、この吸引器が気に入り、
救急箱に常備しました。

「エクストラクター ポイズンリムーバー AP011」

アウトドアの時にも重宝しそうです。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
どうぞ他の記事もごゆるりとお楽しみ下さい。

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references:
https://t-meister.jp/blog/hachi-syochi/
https://t-meister.jp/hachi/taisaku/sasaretara.php