昨日、CASECを受験したというご報告をしました。

CASECの総得点は、800点超え、
TOEICに換算すると、880超え
を達成できたのですが、
そもそもCASECって何?という方も、
案外多いのではないでしょうか?

CASECは、最近企業での導入も増えてきているようです。
CASECの数値だけでなく、
TOEICや英検に換算した場合の数値も示してくれるため、
導入済の企業では、スキルを表す公的な書類として扱われるので、
英語のコミュニケーションスキルのアピールに使えます。

そこで、今回は、
CASECってなんぞや?というお話と、
私のCASEC対策について、
実際に受験してみての感想を何回かに分けてご紹介したいと思います。

CASEC って何?

CASECとは、
インターネットで受験できる
英語のコミュニケーションスキルの能力判定テストです。

正式には、
Computerized Assessment System for English Communication
という名前で、それぞれの頭文字をとって
CASECと名付けられました。

CASECの仕組みを開発したのは、
日本の英語技能検定「英検」を主催している、
公益財団法人 日本英語検定協会。
その後業務は引き継がれ、
現在は、旺文社グループによって開発・運営が行われています。

CASECの運営に具体的に関与しているのは、
旺文社グループのひとつ「株式会社教育測定研究所」。
ここには、テスト理論の専門家が多数所属しており、
教育分野の効果測定(Educational Mesurement)に特化した
専門的な業務が展開されているようです。

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TOEICとTOEFL

これまで英語の能力判定テストというと、
TOEICやTOEFLがよく知られていました。

TOEFLは、アカデミックイングリッシュ。
フォーマルで専門性の高い言葉が採用され、
英語環境下の大学・大学院などの高等教育機関における
英語コミュニケーション能力を測るための
テストとして位置付けられています。
よって、どちらかというと学生さんの語学留学向けのイメージ。

一方のTOEICは、社会人・ビジネスマン向けという印象ですが、
書店に行くと、TOEICの書籍が圧倒的に多く、
大きな書店の本店などに行くと、
書棚を占める割合も多いので、とにかく目立ちます。

というのも、TOEICは世界共通のテスト。
テストは多数のセクションから構成されており、
テスト時のボリュームもかなりあります。

たくさんの問題に答えさせることにより、
リスニング(聞く)力、リーディング(読む)力を、
幅広く、且つ正確に評価してくれるのです。

そのため、TOEICは就職活動における
面接時の自己アピールのひとつとして履歴書に書いたり、
社会人として実務に従事しているビジネスマンが
英語のスキルを示すために受験するケースも多く、
多様な場面で活用されてきました。

では、何故、TOEICだけじゃなくて、
CASECが登場したのでしょうか?

TOEICとCASECの受験者数の推移比較

さて、
ここで、TOEICとCASECの受験者数を
少し比較してみようと思います。
一体どのぐらいの差があるのでしょうか?

TOEICの受験者数は右肩上がりに増え続けており、
2014年の受験者数は240万人に上ります。
toeic
出典:http://www.toeic.or.jp/library/toeic_data/toeic/pdf/about/transition.pdf

一方、CASECの受験者数は、同年(2014年)比較で167000人。
TOEICとは大きな開きがあり、マイナー感が否めません。

casec02
出典:http://casec.evidus.com/group/transition.html

では、
受験者数にこれだけの差が開くのは、
何故なのでしょうか?

後発組ながら着実に利用者数更新中のCASEC

実は、
CASECが本格的に展開され始めたのは
2001年10月のこと。
2015年現在から遡っても、
制度そのものが生まれてから、まだ14年なのです。

つまり、TOEICと比較して、
CASEC自体の歴史が浅いのです。
また、TOEICと異なり、
世界共通のテストではありません。
こうした事情がCASECの認知度に関して、
影響を与えていることは否めません。

しかし、そんなCASECも、
2015年3月時点の累計では、1518551人が受験するなど、
着実に受験者数を積み上げています。

というのも、歴史が浅い一方で、CASECは
TOEICにないメリットを備えていて、
そのメリットゆえに受験者数を、毎年着実に伸ばしつつあるのです。

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CASECのメリットって何?

まず、何より
CASECは、TOEICに比べて
テストに要する時間が短くてすみます。

問題のボリュームは、TOEICに比べて
かなり少なく、出題数も抑えられています。

試験は4セクションに分かれており、
長くとも1時間、
早い人なら40分ほどで終えることも可能です。

section1: 16問
section2: 16問
section3: 17問
section4: 11問

どうして、少ない出題でスキルレベルを
測定できるのかというと、
コンピュータで、回答内容に応じた
出題レベルを判定し、
個々人に合わせて出題内容を調整する
仕組みをCASECが採用しているから、
というのがその種明かしです。

なんでも、CASECの仕組みは
400万人の回答とスキルレベルを
反映しながら開発されたとか!

このレベルの人はこの問題に
この位の割合で正解する・・・といったロジックを
プールした上で、コンピューターが判断して
質問レベルを調節してくれるんですね。

TOEICの場合は、受験者は皆
同じ出題がされて、それを解くというプロセスを辿ります。

それに対して、CASECは
一人ひとりのスキルレベルを
瞬時に判断しながら、カスタマイズされた
オリジナルな出題により、測定していくのです。

siryokukensa
出典:http://blog.cazahana.com/?month=200601

一番わかりやすい例え。
それは、健康診断の項目にある「視力検査」
あれを思い出してみて下さい!

あるレベルをクリアしたら、
さらに小さな円が提示され、
答えられなかったら、同等レベルか、
大きな円に戻るという感じで、
被験者の回答と正解したかどうかを加味しながら
視力の同定を短時間で行います。

TOEICの場合は、あれもこれも
最初からずらりと全部並べられているのに対し、
CASECの場合は、適宜回答者に見合うレベルで
カスタマイズされて出題されるので、
少ない問題数でも、スキルレベルに対して
一定の精度を備えたスコアを出すことが可能なんですね。

また、1回あたりの受験コストもTOEICより安く、
一定の条件を備えた
安定したインターネット環境があれば、
試験会場に赴くことなく、手軽に受けることができるのは、
TOEICと比較した場合のCASECの大きなメリット。

しかも、テスト結果は試験を受験し終えるとすぐに表示され、
CASECの点数だけでなく、
TOEICや英検とのスコアの互換性も示してくれます。

だから、TOEICに比べて極めてコストイフェクティブに
その人が持つ英語のコミュニケーションスキルの
指標を得ることができるのですね。

コストイフェクティブに能力測定が
できるツールであるということは、
ビジネスシーンではとても大切です。
単に試験の費用だけではなくて、
試験を受けにいく時間も、いわばその人にとってはコストですよね?

企業によってはCASECやTOEICの費用を会社で負担して、
受験を必須にしているところもあります。

CASECやTOEICで一定のアウトプットを出すことが
役職昇進の条件になっている会社も多く、
スキル面での成果を示すことは、
プロモーションのための重要な材料にもなるからです。

こうしたビジネスシーンでの具体的なニーズがある場合、
英語のスキルを正確且つ
コストイフェクティブに測ることができるということは
ますます重要になってきます。

TOEICよりも、手軽に安く、
そしてTOEICと同等適度に正確に測ることができるツール
との認知度が上がれば、CASECが今後
益々多くの場で利用されるようになる可能性は、十分あると思います。

長くなりましたので、今回はこの辺りで。対策については投稿を分けたいと思います。

特に、今後社会人として、
自分の手でキャリアを開拓していく意欲に満ちた方は、
ぜひチェックしておいて下さいね!