「ケトン体」はアルツハイマー型の認知症患者の認知機能を改善し、脳の老化を抑制するという研究報告が多数発表されています。

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「ケトン体」とは、脂肪から合成されるエネルギー物質です。

体内の中性脂肪の他、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸から生成されるため、ココナッツオイルを摂取するとケトン体の血中濃度を上げることができます。

ココナッツオイルで認知機能が改善したあるひとつの事例

もともと、ココナッツオイルが認知症治療の手立てとして注目されたのは、ある女性医師が、自分の夫の治療のためにココナッツオイルを使い、その驚くべき効果を動画で発信したことがきっかけでした。

偶然その動画を目にしたカナダ在住の女性、キャロル。

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彼女の夫もまた、認知症が急激に進んでいました。元牧師で小説の著書でもあった夫のブルースは、感染症による心臓の炎症をきっかけに健康を害し、手術後に症状が急速に悪化してしまったのです。
もはや、ブルースは、自分の身の回りのことができないばかりか、意思疎通、それも自分の希望や意思を簡単なことばで相手に伝えたりすることすら、難しくなっていたそうです。
キャロルが愛する夫のことを想わない日はなかったことでしょう。

キャロルは、女性医師が発信した1本の動画に触発されて、藁にもすがるような思いでココナッツオイルを手に入れました。

そして、さっそく大さじ2杯ほどのココナッツオイルを夫に食べさせてみたそうです。

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驚くべき変化が生じました。
それも、短期間の間に、症状が大きく改善したそうです。

初めてキャロルが夫にココナッツオイルを食べさせた日、3時間もたたないうちに、ブルースがよく喋り始めたそうです。

そこで、毎日夫にココナッツオイルを食べさせ続けたところ、ブルースは1か月後に、自分の身の回りのことをできるようになりました。電話をかけたり、パソコンに向かったり、短時間ながら読書を楽しむことができるようにもなったというのです!

不可逆的と考えられていた症状に対するこれらの変化は、主治医を大変驚かせたそうです。

しかし、症状の改善は確かなもので、検査数値にも現れました。認知症患者に対して、認識機能障害の程度をチェックする検査があるのですが、改善前と改善後のテスト結果の値を比較すると、30点満点中、11点→24点と大幅に正解率が上がったというのです。

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アルツハイマー病は、もっとも一般的な認知症です。

いつもの仕事を計画したり、実行したりすること、また論理的な判断を下すことが苦手になり、最終的には記憶障害が悪化して、正常な生活ができなくなってしまいます。
実際に見たり、患者さんに接していた方から聞いた話ですが、女性であれば食材や料理の管理ができなくなったり、もっと症状が進行すると、少し目を離したすきに、想定しないような事態、例えば食事のお茶碗がなくなったため家探ししたら、トイレの便器の中で発見された…といったことが、平気に起きてしまうのです。

まともに言葉で会話することができなかったり、気分や性格が一転して、怒りっぽく、興奮しやすくなったりすることもあります。
判断力の低下、精神錯乱、ひきこもり、幻覚症状なども引き起こします。
発作や失禁を起こし、誰かが常に見守らなければならに状態になることも一般的で、最終的には命を落とす、恐ろしい病です。

 

長年連れ添ってきたいとしい伴侶が、病気のせいで、人が変わったようになってしまったり、看病をしているうちに看病をする側が憔悴しきってしまったり、高齢化が進む中、先行きの見えない老老介護と向き合っている方も、年々増加の一方を辿っているという現状が、わが国においても現実の問題として、存在します。

 

アルツハイマー病の根本的な問題は、脳が効率的にブドウ糖を利用できず、エネルギー不足に陥ることです。その結果、脳内が飢餓状態に陥り、急速な老化が始まって、認知症に至るのです。

ところで、先に紹介した事例で、認知症の症状を示していたブルースに対して、キャロルが行った対処は「ココナッツオイルを大さじ2杯、毎日食べさせ続けた」、たったそれだけです。では、どうしてこれだけのココナッツオイル習慣が、認知症を改善することができるのでしょうか?

 

ココナッツオイルが認知症を改善するメカニズムとは

脳はカラダの中で、もっとも代謝機能が活発な臓器です。そのため、絶え間ないエネルギー補給を必要とします。
血糖値が下がると、脳は機能を維持するために、ブドウ糖に代わるエネルギー源を利用するメカニズムがあるということが、最近の方向でわかってきました。

この代替エネルギーこそが「ケトン体」なのです。
ケトンについては、上でも少し触れましたが、特に脳に栄養を与えるために、肝臓で作られる、特別な高エネルギー燃料のことを意味します。

ケトンが生産されるのは、血糖値が低いときだけです。血糖値が下がると、ケトンの生産が始まるのです。次に食事をとると、血糖値が上がるので、ケトンの生産量が減少します。
このメカニズムにより、脳には常にブドウ糖かケトン体のどちらかが供給される仕組みになっているのです。

しかし、アルツハイマー病にかかった脳細胞は、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖を代謝することができなくなります。十分なエネルギーを得ることができない状態に陥ると、脳は次第に変性を起こして死んでしまいます。
しかし、ケトンは、ブドウ糖代謝不良とは関係なく機能するので、ココナッツオイル、すなわちケトン体が継続的に供給されれば、脳に必要なエネルギーを充足させることができるのです。

 

重要なことは、ケトン体が産生されるのは、炭水化物の摂取量が少ないときだけ、という点です。
これは、「ケトン食療法」と呼ばれ、てんかんに伴う脳障害への矯正のために長らく使われてきたそうです。
典型的なケトン食療法では、炭水化物摂取量を、総カロリー量の2パーセント前後と、非常に低く抑える必要があります。つまり、ケトンを産生するために、炭水化物を脂肪で置き換える必要があるのです。

 

ココナッツオイルに豊富に含まれる中鎖脂肪酸を摂取すると、その一部はケトンに変換されます。そのため、中鎖脂肪酸を食事に加えると、脳に非常に良い影響を与えるのです。
例えば、ある研究では、アルツハイマー病の患者が、中鎖脂肪酸を含んだ飲み物を飲み、90分後に認知力テストを行ったところ、そうでない患者と比べて、テストの点数が高かったというのです。
たった一度摂取しただけで、認知機能にかなりの改善が見られた、という点は注目すべき点です。

 

中鎖脂肪酸の原料は、ココナッツオイルです。
従って、ココナッツオイルをほんの大さじ2杯とるだけで、血液中のケトンの濃度は上昇し、効果を発揮するレベルに達するのです。

ケトンはエネルギーを作るのに使われてしまうので、血液中のケトン濃度を維持するためには、これを「1日3回」繰りかえす必要があるそうです。

 

正しい食事ココナッツオイルを組み合わせる。

そうすれば、アルツハイマー病の進行を食い止め、個人差はあるものの、一定の回復効果をもたらすことができるかもしれません。

但し、病気の進行を逆転しやすいのは、初期と中期段階とのこと。

認知症で身体機能を後退させていらっしゃるなど、守りたい方が、身近にいらっしゃる方は、自己責任ではありますが、上にご紹介した研究をひとつの参考として、試してみるのもよいかもしれません。

 

認知症とココナッツオイルに関する詳細は、ココナッツオイルに関する文献に詳しく書かれています。子どもたちに対する対処は大人へのアプローチとも異なるようですので、詳細を確認した上で進めるのが無難です。洋書を和訳した書籍により丁寧に書かれている印象ですので、さらに情報を求める方はあたってみて下さい。

 

それでは、今回はこのあたりで失礼いたします。

長文、最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回の投稿をお楽しみにお待ち下さい。