CMや映画音楽をはじめ、
数々の作曲を行い、多方面で活躍中の
富貴晴美(ふうき はるみ)さんが、
2018年5月、スタジオパークに登場。
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twitterでも可愛いとの評判が高い
富貴晴美さんは、
大河ドラマ「西郷どん」の
音楽も担当されている方です。
出典:http://fuukiharumi.cocolog-nifty.com/blog/
ご職業は、
作曲家、編曲家である他、
ピアニストとしてコンサートに
登場されるという一面も。
テレビ小説「マッサン」では、
スコットランド風の音楽も手掛けるなど、
既に業界で一目置かれる存在として、
幅広く活躍されています。
御年30そこそこで、
ここまで幅広く活躍される
若手の敏腕作曲家は、
どのようにして
生まれたのでしょうか?
今回は、
富貴晴美さんをテーマに、
以下のトピックでお届けします。
目次
西郷どん音楽の感想が高評価
西郷どんのオープニングが
公開されたのは、
2018年1月12日のこと。
公開からわずか1週間で
8万回を超える再生が行われ、
「好印象」との感想が
多数寄せられています。
●今回の大河は面白い。子役も良かった。音楽もイイ。
●YouTubeの大河ドラマ「西郷どん」テーマ曲(オープニング映像)の再生回数がもう8万回近く!
公開されて一週間なので、一日あたり約1万回も再生されてる😍
●私も子供たちもいつの間にか口ずさんでる♪
気分が上がるメインテーマだわ!
●『西郷どん』の何がお気に入りってね、テーマ曲がいいんです。
底抜けに明るくて、美しくて、雄大で、でも悲しくて、だからこそ力強くて。
「西郷どん」の人生そのもの。いい意味で驚いてもらえるんじゃないかなぁ。。。
●西郷どんの音楽にマッサン感を憶えて調べてみたら、まさにマッサンの富貴晴美さんがご担当だった。ますます楽しみになりました
広がりと奥行のある
西郷どんのメインテーマ曲が
醸し出す作品の風合いとは裏腹に、
実際に、大河ドラマのオープニング曲を
作曲した富貴晴美さんとお会いすると、
想像以上にお若く美しい姿に
驚きの声も…。
●西郷どん、テーマ曲の富貴晴美さんがこんなにも若い可愛らしい方とは💕
曲が持つ重厚感とは裏腹の
作曲家としてのお若さに
驚く方が多いのも
無理のないことです。
実は、
富貴晴美さんは2018年時点で、
歴代最年少(御年33歳)で
大河ドラマ「西郷どん」の
音楽担当に抜擢されています。
富貴晴美さんのプロフィール
出典:http://fuukiharumi.cocolog-nifty.com/blog/
富貴晴美さんが、
「西郷どん」の音楽担当に
抜擢された背景には、
彼女が着実に積み重ねてきた
実績があります。
富貴晴美さんは、
1985年生まれで、
ご出身地は大阪府。
国立音楽大学音楽学部を
首席で卒業された後、
同大学院音楽研究科修士課程を
修了されています。
在学中から、既に
CMなど映像作品の音楽を
作曲されていたのだそう。
アカデミー賞受賞も!富貴晴美さんの主要作品
以降、映画やドラマを中心に、
数々のサウンドトラックを担当。
主要な作品は、以下のとおり。
●映画
「京都太秦物語」
「はじまりのみち」
「駆込み女と駆出し男」
「百日紅~Miss HOKUSAI~」
「日本のいちばん長い日」
●ドラマ
「明日の光をつかめ」シリーズ
「花嫁のれん」シリーズ
「マッサン」(連続テレビ小説)
●CM
大塚製薬: カロリーメイト「Mate」篇
伊藤園:おーいお茶「おーい、日本の春」篇
三井住友銀行
SUNTORY:なっちゃん
キリンビバレッジ:午後の紅茶
花王:クイックルハンディー/キッチンハイター/ケープ
リクルート
三井信託銀行
朝日新聞出版社
TOTO
小学館
など多数。
そして、
富貴晴美さんは、
「わが母の記」で
第36回日本アカデミー賞
優秀音楽賞を受賞されました。
では、
富貴晴美さんは、
お若くして
多くの聴衆の心を動かす
音楽を創る技を、どのように
身につけられたのでしょうか?
幼少期のピアノ映画音楽との出逢い
富貴晴美さんにとっての
音楽との出逢いは、
5歳の頃に遡ります。
5歳でピアノレッスンを開始
お友達と一緒に
ピアノを習い始めたのが
きっかけで、どんどん
練習するようになりました。
弾けるようになるのが楽しくて、
朝幼稚園に行く前に2時間、
帰ってから2時間、
1日トータルで4~5時間、
毎日必ず練習していたのだとか。
幼少期から触れた映画音楽
富貴晴美さんにとっての
幼少期の体験は、
もうひとつあります。
それは映画音楽との出会い。
お母様の影響もあり、
幼稚園の頃から、
毎日8本ほども映画を
観ていたのだそう。
「カサブランカ」や
「風と共に去りぬ」
といった古典作品の他、
黒澤明監督、木下惠介監督
の作品なども含まれており、
幼少期から、自然と
映画音楽に触れる機会
に恵まれていたようです。
そして、それを表現する
手段として伸ばしたのが、
5歳で始めたピアノの腕。
ラヴェルに感化され難曲にも挑戦
小学1年生の頃には、
ドビュッシーやラヴェルの
音楽をCDで聴き、
特に
『亡き王女のためのパヴァーヌ』
に感化されたそう。
富貴晴美さんは、
先生にまだ難しいと言われても、
譜面を買って、自分で
弾き始めるほど積極的に行動。
この頃から、
サウンドトラックや
楽曲作りに対するセンスを磨き、
自分がよいと思う作品に
主体的にアプローチする姿勢を
貫かれていたようです。
12歳で初めてサントラを映画館で購入
そして、
迎えた12歳。
富貴晴美さんが
作曲家を意識する
出来事と遭遇します。
友達と映画館へ見に行った、
作品は、当時話題を呼んだ
あの映画作品「タイタニック」。
この時、富貴晴美さんは
初めてサントラを買ったそう。
メインテーマは、
ピアノソロだと切なく聴こえるのに、
オーケストラだと、
とても派手で格好よくて、
全く違う曲に聴こえる。
映画を観た直後から、
「私もこういう曲を書くんだ!」と、
とても感化されたそうです。
この体験をきっかけに
オリジナル曲を、
ピアノでつくり始めた
富貴晴美さん。
ピアノソロをつくったら、
いつか自分も、
タイタニックのサントラのように、
オーケストラアレンジをしたり、
シンセサイザーの打ち込みを混ぜたり
できるようになるんじゃないか、
という大きな夢が、
実現に向けて、どんどん
膨らんでいったようです。
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中学高校では部活にも熱中
この時期、
富貴晴美さんは、
1日1曲のペースで曲を作曲。
ちなみに、
中学校の部活は音楽一色かと思いきや、
吹奏楽部だけでなく、
バドミントン部にも所属して、
スポーツも楽しまれていた様子。
吹奏楽では、
フルートがよかったのに、
じゃんけんで負けて、
チューバやユーフォニアムなど、
低音部を中心に演奏。
しかし、
作曲時には低音の動きが重要なので、
結果的にチューバを演奏していた経験が、
後の作曲に生かされることになります。
中学高校を経て大学で現代音楽を専攻
国立音大を主席で卒業された
富貴晴美さん。
その進路と将来の方向性は、
早くも中学時代から
見据えていたようです。
ちなみに、
ピアニストの神津かおりさん
とは、中学からの親友で
結婚式にも同席されているようですね。
大学進路の縁はヤマハから
富貴晴美さんは、
中学時代に、
音楽大学や作曲学科が
あるということを知ったそう。
早速、お母様と近所のヤマハに行き、
受付のおじいさまに相談したら、
偶然その方の知り合いが
音楽大学の作曲科にご縁があって、
国立音大の中原健二先生を
紹介されます。
即却下にもめげず不屈の精神で得たものとは?
すばやい行動力で、
紹介された翌日には、
自分で書いた曲を手に
中原先生のところへ行くも、
曲を弾きもしないで
「全然なってない!」
「まず和声の勉強をしなさい」
と即却下されます。
そこであきらめないのが、
富貴晴美さん。
真面目に和声学の勉強を始めるも、
「これをしてはならない」という
禁則ばかりで、がんじがらめのルールに
不満を覚えていた時期も
あったのだとか。
ところが、
やり終えた後に、その効果を実感。
「和声を学ぶことによって、
縦の軸が見えて、譜面を読むだけで
頭の中で音楽が鳴るようになった」
ことに気付いたそうです。
作曲家としてプロの道へ
大学時代には、現代音楽を学びながら、
「洗剤のCM」「コーヒーのCM」など
自分でテーマを決めて曲を制作。
デビュー前には下積時期も
CM音楽の制作会社にデモを送るも
殆ど却下された時期もあった
駆け出しの頃の富貴晴美さん。
それでもあきらめずに
制作を続けていたところ、
ミスター・ミュージックという
制作会社から連絡が届きます。
おもちゃCMコンペで初仕事
社長さんの薦めで、
「すぐに作曲家は無理だろうから、
最初はうちの事務をやりながら、
作曲家の現場を見なさい」と言われ、
事務仕事をする傍ら、
現場を訪れていたところ、
おもちゃのCMコンペの誘いがあり、
試しに曲を書いて出したら採用されて、
そのままテレビで放映。
これが初仕事となり、
富貴晴美さんにとっての
仕事としての曲の制作活動に
つながっていきました。
作曲への熱意、メロディは起き掛けが勝負?
作曲家としての、仕事は、
はたから想像している以上に
エネルギーを必要とするようです。
●企画書や台本をもらうと、まずは原作を読んで、とにかく調べ尽くします。
と、富貴晴美さん。
マッサンでの音楽制作前研究
「マッサン」の時には、
主人公のモデルになった
竹鶴とリタに関する本を全部買って読破。
さらには、
物語の舞台となった
ロケ地を全て訪れる徹底ぶり。
マッサンの場合だと、
●広島の竹原、
●大阪の住吉、
●北海道の余市
の三ヵ所が舞台になっていたので、
一人で現地へ赴き、
五感を総動員。
ロケーションがもつ空気や
場の雰囲気を感じとったり、
色んな人に話を聞いたりと、
リサーチに余念がありません。
音楽制作に込める想い
その行動力の裏側には、
「せっかく書くなら、いい曲を書くためにできることをやりきったほうがいい」
との熱い想いがあるそう。
ちなみに、
「マッサン」はメインテーマに
スコットランド民謡の要素が
取り入れられています。
この曲調を表現するために、
バグパイプの研究をしたり、
ケルト音楽に関する本も
たくさん読んだ他、
アイリッシュやスコットランド音楽の
ライブにも毎晩通うなど、
相当な研究と下積みの上に、
テーマソングが成り立っている
ことが伺えます。
ひらめきは寝起きが勝負
面白いのは、
作曲時のエピソード。
「朝起きたら、1秒後には曲を書いています。」
ひらめきは、
朝起きた瞬間にやってくることが
多いのだそう。
寝ているうちに、
脳内の情報が整理されるという
エピソードを聞いたことがありますが、
メロディが降ってくるタイミングが
寝起きのあさイチというのには、
理由がありそうですね。
富貴晴美さんのこだわりと好きな曲
富貴晴美さんの
オフィシャルサイトには、
そんな彼女の制作姿勢を
短く表現した以下のフレーズが
掲げられています。
●富貴晴美は、作曲家として求められる100%の音楽に留まらず、作品として常に「+」(プラス) を創造します。
山田洋次監督から教えられた音楽制作の真髄とは?
富貴晴美さんが
映画音楽を手掛けて2作目の頃に
出会った山田洋次監督。
映画「京都太秦物語」で、
考え方が180度変わったそう。
当初、自分が
「この映画にとってベストだ」と
思うものを書いて出したところ、
監督は首を傾げる。
録音時に譜面を
どんどん書き直した結果、
でき上がったのは、
映像を邪魔しない
空気のような音楽だった、
と富貴晴美さん。
●私が目指してたものと全然違ったのですが、監督が「音楽は映像があってのものだから、音楽だけで完結していなくていいんだ」とおっしゃったんです。
雷に打たれたようでしたね。自分は「何か勘違いしていたのかもしれない」と思いました。
と振り返っています。
この出来事をきっかけに、
音楽作品は「音楽と映像が融合して完成する」
ということを学んだ、と話す富貴晴美さん
「最高の曲を書きたい。自分が良いと思うものを出せばいい」
との考え方が根本から覆され、以後は
「映像が活きる音楽を目指す」
ようになったそうです。
好きな音楽ジャンルは?
幼少期から、
自分の感性に正直に、
積極的に行動してきた結果、
若くして多方面での音楽制作に関与し、
活躍することになった富貴晴美さん。
そんな
富貴晴美さんが昔から
好きなジャンルは、
ロシア音楽なのだそう。
土臭い音楽、
地を這うように低音で
メロディーを動かす
太くて重たい曲が好きで、
休日には、
ハチャトゥリアンや
ラフマニノフ、
チャイコフスキーなどを
よく聴くそうです。
おすすめの現代音楽勉強本は?
ちなみに、
大学時代にはまった
現代音楽の作曲本として、
富貴晴美さんが
イチオシしているのが、
↓こちらの書籍。
「はじめての<脱>音楽ーやさしい現代音楽の作曲法」
木石岳著、川島素晴監修、秋山大知 OpenMusic部分執筆
twitterでは、
富貴晴美さんご本人が
このようなコメントを寄せています。
●売れっ子作曲家の川島素晴先生が現代音楽作曲本を出しました。
大学1年で現代音楽にハマり、どのように作曲するのか手探りで始めました。その時にこの本があればどんなに楽だったかと思います(o^^o)
大学院での先生の講義、実践的で楽しかったなぁ。
出典:https://twitter.com/gababon2013/status/992971886010118144
富貴晴美さんの今後のご活躍に期待!
マッサンや西郷どんの
テーマソングで、
広く知られるようになった
富貴晴美さんの
音楽制作にかける想いや道のりを
ご紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか。
好きこそものの上手なれ
とはよく言ったものですが、
純粋な想いと
主体的な行動力に支えられて
富貴晴美さんが、
お若くして様々な実績を
着実に積み重ねてこられた
足跡の一端が垣間見えたかと思います。
ちなみに、
西郷どんのオープニングテーマソングは、
以下のような複雑な両面を
併せ持つ主人公を
時に力強く、
また時に繊細に表現する上での
作品の下支えとなっています。
———————————-
その素顔は謎に満ちていて、
肖像写真は一枚も残されていない。一度逢ったら
誰もが惹き込まれた
という澄んだ瞳。飢えや貧しさを
吹き飛ばしてくれる
温かいユーモア。全身からあふれる深い慈愛・・・。
そして、もう一つの顔は、
戦の天才で革命家。間違った世界をぶっ壊すためには、
手段を選ばず、
徹底的に叩きのめす。その二つの面をあわせ持つ
複雑な人物。上野の銅像や、
世間がイメージする
太った無口な男ではなく、
今回は、エネルギーのみなぎる、
全く新しい『西郷どん』を描きます。「大河ドラマ『西郷どん』」
【放送情報】
NHK 総合(日) 夜8:00~/[再放送](土)午後1:05~
NHK BSプレミアム(日) 午後6:00~
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常にプラスアルファの付加価値を求めて
徹底的に作曲活動に向き合う
富貴晴美さん。
今後も、素敵な多数の作品を
世に送り出していかれるかと思いますので、
ぜひ注目したいところです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
どうぞ他の記事もごゆるりと
お楽しみ下さい。
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参考URL:http://www.jasrac.or.jp/otobito/interview10/index.html