下町ロケットガウディ2で描かれる小児心臓外科医
「一村」のモデルになった実在の人物が
大阪医科大の「根本教授」だということは、
前回の投稿でご紹介しました。

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実は、同作品に一村とともに登場して、
製品開発に熱い情熱を傾けるもう一人のキーパーソン
「桜田」にも、実在のモデルが存在するのです。

桜田のモデルとなったのは、
福井経編興業に勤める髙木義秀(たかぎ よしひで)専務。

経編は「たてあみ」と読みます。

「編」の名前の漢字からのイメージに違わず、
福井経編興業は繊維関係のビジネスを営む会社。

編み物、つまり一本の糸から編み上げる
ニッティングに関して優れた技術力を持っています。

なかでも、
「経編(たてあみ)」とは、縦方向に
連続して編み上げていく手法をさし、
車のシートなどに良く使われているトリコットは
「経編(たてあみ)」の代表的な製品なんだとか。

福井経編興業の社員数は、
男性58名、女性31名と、100名以下。

しかしながら、規模だけでは測れないのが
会社の実力。
福井経編興業は、会社が持つ技術力と開発力を生かして
大阪医大、衣料企業と提携し
「心臓修復パッチ開発プロジェクト」 を
実際に推進しています。

リクルートのサイトにはこんなアピールポインとが・・・

衣料用として絹糸を編む技術開発に取り組んできた私たちは、東京農工大と人工血管の共同開発に取り組み、絹製の人工血管の量産技術を開発しました。

そして次に挑むのは、経済産業省の「医工連携事業化推進事業」採択を受け、大阪医大や帝人と連携した「自己組織に置換され伸長する心臓修復パッチ」の開発プロジェクトです。

国内では新生児を含む小児患者の心臓パッチ手術が年間約1万件あるといわれており、この開発の実現により心臓の成長に伴う再手術の必要がなくなれば、世界中の子どもを救う商品になります。

開発に向け当社では、社内各部署からなるチームを編纂。これらの開発を機に、医療分野を新たな事業の柱にしていきます。

また、高木氏は、今後のものづくりに関して
こう言ってのけます。

「中国やアジアの国々と価格競争をしても未来はありません。私たちが他の国、他の工場ではできないものを開発し、海外にも輸出できるようになれば、地元の仲間たちも活気をとり戻してくれるはずです」

一方、高木氏とともに新商品の開発に力を尽くす
根本氏が考えるもの作りについては、こんなコメントも。

「もの作りには、何が必要とされ、どうこたえるかというストーリーと、ビジネス関係を超えて信じあえる仲間が不可欠です。この2つがあって新しいものを生み出せると信じています」。

下町ロケット2の初回放送も好発進、
後半戦に入った最初の放送回であった第6話は
視聴率17.8%をたたき出し、順調に推移しています。

時代の流れと期待にぴったりとマッチして
応えるドラマ「下町ロケット」の
今後の展開にも注目です。

■たかぎ よしひで:1953年生まれ。日本大学法学部卒。
76年に福井経編工業に入社。営業部長などを経て、2008年に代表取締役専務に就任。
今回ドラマの撮影などにも協力。

■ねもと しんたろう:1934年生まれ。新潟大学医学部卒。
東京女子医大、米国、豪州、オーストラリア、マレーシア、京都大学で研究と心臓外科トレーニングを行い、2006年より大阪医科大学外科学講座胸部外科学教室勤務。

 

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