雛人形処分の時期と供養の方法
3月といえばひなまつり、
女の子がいるご家庭では雛人形を飾って
お祝いをされることが、日本の慣習となっています。
雛人形には、女の子の健やかな成長への
願いがこめられており、
古来より、雛飾りは、お人形が身代わりとなって、
その子にふりかかる厄災を引き受けてくれる、
との考えに支えられてきました。
しかし、
時を経るうちに、女の子も成人し、
あるいは結婚するなどして、
もうかつてのように雛人形を飾らなくなった、
ということも、あるのではないでしょうか。
そもそも、雛人形はいくつまで飾るものかご存知ですか?
そして、飾らなくなったお雛様はどうしたらよいのでしょうか?
女の子の代わりに厄災を引き受けてくれたお人形。
処分するにも、粗末なことはできない…
とためらわれることもあるかと思います。
そこで、今回は
●雛人形はいつまで飾る?
●手放す方法3パターン
(1)供養の費用と首都圏のおすすめ社寺
(2)寄付の方法(国内)
(3)寄付の方法(海外)
というテーマでお伝えします。
目次
雛人形はいくつまで飾る?
雛人形をいくつまで飾るか、ということについては
一般的に、お嫁に行くまで飾るご家庭が多い印象です。
しかしながら、実際のところは家庭によってまちまちで、
いつまで飾らなければならないという、
はっきりとした約束事はないようです。
なので、娘さんが結婚して以降も、
ご実家で、あるいはご本人が嫁ぎ先に同伴する形で、
雛人形を飾り続けることも、問題ないと
考えられることが多いようです。
ただし、
娘さんが嫁いだ後、新たに女の子が生まれた場合、
お母さんのお人形をその娘さんに引き継ぐのは
避けるのが無難。
ぜひ、新たな雛人形をを用意してあげて下さい。
これにはわけがあります。
雛祭りは、もともと古代中国の厄払い行事である
「上巳の節句」に起源をもっています。
つまり、
人形(ひとがた)に穢れをうつして流す風習が
小さな人形をつかったままごと遊びである「ひな遊び」などと
混ざって成立したものと言われており、
お雛人形にその子の厄や災いを移すという考えが
背景にあることから、雛人形は共有するのではなく、
個別に持つことが望ましいとされるのです。
手放す時の方法3パターン
さて、そんな雛人形ですが、
娘さんが嫁ぎ、飾り続けることが
難しくなった場合はどうすればよいのでしょうか。
本人が存命中は、処分しない方がよいと
言われることもある雛人形ですが、引越を契機に、
あるいは、年相応のライフステージに合わせた整理が
必要になる場面もあるかと思います。
飾らなくなってしまった雛人形を
ずっと保管しておくこと自体大変ですし、
かといって、娘さんが女の子を出産した場合、
自分のお雛様と娘のお雛様をどちらも飾る
というのも手間がかかります。
そこで
今回は雛人形をやむなく手放す際の方法
3パターンについてご紹介します。
その1:社寺で供養する
大切にしていたけれども、お役御免となった雛人形。
最も望ましいのは、社寺で供養してもらうことです。
雛人形にかかわらず、愛用された人形や
ぬいぐるみには、大切にしていた人の心が宿るといわれます。
深く思い入れのあるものほど、もう飾らなくなったとき、
不要になって処分したい、というときには、
神社やお寺できちんと供養してもらうのがいいようです。
ご参考までに、東京を中心に
人形供養ができるおすすめの神社やお寺をいくつか挙げました。
なお、都心にお住まいでない方も、
お近くの社寺に人形供養をとりおこなっているところが
あるかと思いますので、尋ねてみてはいかがでしょうか。
一般的には、供養料を納めて、お人形を持ち込み、
引き取っていただく形になりますが、例えば、
千葉千手観音のように、郵送で受け付けてくれるところもありますので、
各々のご事情に合わせて選ばれるとよいのではないかと思います。
せっかく供養料を納めて供養していただくのですから、
あまり聞いたことのない業者に頼むより、
引き取った後の供養を確実に執り行ってくれる
名の知れた社寺を、確実さと安心の観点から、
選ぶことをおすすめします。
1. 本寿院 [東京]
本寿院での人形供養は、毎月行われる公開供養で実施されます。
人形供養のお寺としての知名度が高く、
海外で人形供養の寺院として紹介されたことも。
仏師として知られる円空とゆかりのある
歴史の古いお寺で、水子供養の寺院としても知られています。
住所 東京都大田区南馬込1-16-2 Map
TEL 03-3772-8889
受付 供養祭当日持ち込み(9:00~18:00)/郵送可
供養料 5,000円~
HP:本寿院HP
2. 明治神宮 [東京]
明治神宮では、毎年秋に「人形感謝祭」という、
人形供養を執り行う日が設けられています。
規模も大きく、2014年には35,000体もの人形が持参されたそう。
供養料も3,000円からと良心的です。
住所 東京都渋谷区代々木神園町1-1 Map
TEL 03-3379-5511
受付 感謝祭当日、本殿前庭特設受付にて(9:00~15:00)/郵送不可
供養料 3,000円~
HP:明治神宮HP
3. 厄除け不動尊 妙泉寺内 千葉千手観音 [千葉]
千葉千手観音は、千葉の厄除け不動尊として知られる妙泉寺内にあります。
人形供養感謝祭は年に3回、
・3月のひな祭り、
・5月の端午の節句、
・12月の年末年越し
のタイミングで行われます。
供養料は、明治神宮と同様に、3,000円~。
郵送でも持参でも、毎日受付してもらえるようです。
住所 千葉県東金市山田1210 Map
TEL 0475-55-8588
受付 持ち込み(毎日10:00~16:00)/郵送可
供養料 3,000円~
HP:千葉千手観音 妙泉寺HP
その2:寄付したい(国内)
お雛人形を処分する必要があるけれども、
せっかくのお人形、何らかの形で第二の人生を送り、
誰かの役にたってもらいたい、とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、まずは、国内で寄付する2つの方法をご紹介します。
かつうらビッグひな祭り
毎年2~3月にかけて行われる雛祭りで、
日本全国から寄贈されたお雛様を、約2週間飾るイベントです。
全国各地で開かれており、
7,000~20,000体の雛人形が段飾りで
飾られる風景は見事です。
手放した後も、飾ってもらえて、
多くの方々にめでてもらえる、
また、自分自身会いたいときには会いにいけて、
イベントを通じてご自身のお雛人形に再会できるという意味での
つながり感が残る、寄付の仕方となります。
イベントの日程や詳細については、
かつうらビッグひな祭りのHPをご覧下さい。
人形供養 花月堂
雛人形をしっかり供養したいけれど、
処分するにはしのびない方もいらっしゃるかと思います。
そんな方にとってありがたい存在が
花月堂さんです。
ここでは、1年を通して受け入れ可能で、供養するだけではなく、
供養後に新しい受け入れ先を見つけてくれる仲介も請け負ってくれます。
雛人形を供養してくれた上で、第二の人生も歩ませてくれる、
という点が、先にご紹介した社寺での人形供養と異なる点。
お人形の第二の人生にこだわる方は、チェックされてはいかがでしょうか。
その3:寄付したい(海外)
お人形が海を渡ることもいとわない、という方にとっては
このような社会貢献の方法もあります。
ワールドギフトは、発展途上国への物資支援の一環として、
お人形を処分することなく、
人形の寄付やリサイクルを手がけている団体です。
再利用目的であるため、通常供養は行なわれませんが、
人形供養を希望する場合はその旨連絡して、供養料を納めることで、
神社で供養祈祷した後途上国へ送ってもらうことができるようです。
最後に
大切な思いをこめて、そのご家庭に迎え入れられた雛人形。
それぞれの娘さんおひとりおひとりの
人生にドラマがあるように、
それぞれのお雛人形にも、込められた思いとともに、
お人形の人生があるかと思います。
今回は飾らなくなったお人形を手放す際の
方法として、社寺での供養や国内外への寄付など
様々な手段をご紹介しました。
ご自身のお気持ちを整理した上で、
納得のいく手放し方を検討されることを、願っております。