女の子の生まれたご家庭では、
初節句に合わせて雛人形を買い求める方も
多いのではないでしょうか。

人形街の店主さんから聞いたお話では、
最近の住宅事情もあり、どちらかというと
大きなお雛飾りは敬遠される傾向とのこと。

大人の背丈に届くような盛大な
五段飾りの品揃えは縮小傾向にあり、
お人形の数が少なくても、
衣装や造りに凝った内裏雛のセットや
ケース入りのお雛飾りが人気のようです。

そこで、今回は
コンパクトな雛人形をテーマに、
どんな選択肢があるのか、自身の体験を交えながら
ご紹介します。

コンパクトな雛人形のメリット・デメリット

管理人の場合、まず、雛人形を選ぶにあたり、
何を大事にするかということを考えました。

主人は、現実派ゆえ、置き場所重視でコンパクトを主張。
情緒派の管理人はインスピレーションを重視。

長年にわたって大事に飾ることになるお人形、
ぱっと見て、お人形のお顔立ちや
雰囲気がしっくりと馴染み、素敵だなと思える
ということを大切にしたかったのです。

そこで、
コンパクトで、且つ雰囲気のよい
丁寧に造られたお人形を選びたい、
ということになりました。

コンパクトな雛人形には、
かさばらないので置き場所を選ばない、
手間なく飾れる、というメリットがあります。

一方、コンパクトであるがゆえに、
こぢんまりとした内容のお雛人形も多く、
迫力という面では、何段もある飾りにはかないません。

また、コンパクトさの程度によって、
お人形の数が減ったり、
お道具の数が減ったりします。

なので、コンパクトがいいなと思った時に、
お雛人形の何を重視するか、ということを、
一度優先順位をつけて整理してみてはどうかと思います。

例えば、お人形の数、
内裏雛だけでいいのか、
三人官女が五人囃子まで欲しいのか。

お道具は必要?不要?

雛壇の数は、1段でいい?
それとも、3段にこだわりたい?

そして、あとは実際のお人形に会ってみながら、
予算と相談しつつ、あらかじめ考えた
条件に照らして、いくつかの候補を選び、
比較する、という形で進めていってはどうでしょうか。

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小さくても種類豊富:木目込みの雛人形

コンパクトな雛人形ということで、
目をつけたのは、木目込みの雛人形でした。

木目込み人形は、人形本体に直接布を張り付けて拵えるため、
型崩れの心配が少なく、
衣装の表面積も小さいので虫が付きにくいと言われています。

また、衣装着人形よりもコンパクトで出し入れが楽です。

やわらかくて赤ちゃんに近い表情のお人形が多く
子供達にとっても親しみやすいというメリットもあります。

お人形遊びをするのに丁度良くて、
毎年楽しく遊んだという方もおり、
実際に、40年ほど経ってもきれいで髪や衣装も整った状態との
経験談もあるほど。

木目込みは一見地味ですが、
最終的に木目込みのお人形を選んだ方の満足感は高いようです。

木目込み作家さんは様々いらっしゃいます。
おすすめは、あらかじめカタログを取り寄せた上で、
いわゆる人形街に出向いて、実際の商品を見てみること。

木目込みのお人形はこぢんまりしていて、
表情がとても愛らしいです。

実際のお人形を見た時の印象としては、
カタログで見たよりも、もっと小さく感じられたので、
必ず買い求める前に、実物を拝見されることをおすすめします。

こぢんまりとした衣装着人形

木目込みの雛人形に対して、
衣装着人形は圧倒的なボリューム感があります。

作っている工房も多いので、
いろいろなスタイル・顔を選べ、人形店によっては、
屏風や雪洞などを好みのものに交換することができるので
選択肢が多いのが衣装着人形の特徴。

但し、お人形一体一体が大きめなので、
コンパクトさを重視すると、必然的に
お人形の数が少なくなってしまうことになります。

衣装着のお人形のメンテナンスで大切なポイントは、
①型崩れしないように箱に納めること。

また、木目込みのお人形に比べて形が複雑なので
②埃をきちんと落として収納することも重要。

防虫を怠ると衣装や髪がくわれて
傷んでしまうことがあります。

ちなみに、
木目込みも、衣装着も、雛人形の価格帯には
ずいぶん差がありますが、
安価なもののボディは桐塑や木彫ではなく、
「樹脂」でできていることが多いです。

また、頭部も、お手頃な価格帯の雛人形の
頭は石膏製で高額なものは桐塑(練り頭)である傾向が強い印象です。

また、衣装も「化繊」か「正絹」か、素材の含有率によって、
価格とともに、虫食いのリスクも変わってきますので、
そのあたりも考慮しながら選ぶとよいでしょう。
(絹素材であればあるほど、価格は高めとなり、虫食いのリスクは高まります)。

雛人形を選ぶ際には、
実際にお人形を手にとられて、「これいいな」と思えることが
大切ですが、その中身については、外観からだけでは
なかなかわからないもの。

どういった造りで、はたまたどの地で拵えられたものなのか、
これぞと思ったお人形にまつわるエピソードも、
ぜひお店の方から聞いた上で決めると、
娘さんが大きくなったときの話題として伝えてあげることもできるし、
よく理解した上で選んだ、という意味で、
結果的に納得のいくお雛人形選びができるということに
つながるのではないでしょうか。

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引き継ぐ家宝にする:リヤドロの雛人形

さて、次に、コンパクトなお人形を探す時に、
こんな発想もできるという例をご紹介したいと思います。

それはズバリ「家宝にもなる雛人形」!

目をつけるのは、リヤドロの雛人形です。
陶器のアート作品として名高いリヤドロは、
数々の名作を発表しており、世界的にもその名が知られています。

ここ最近になって、日本の雛人形と五月人形に着目し、
節句人形を発表しているリヤドロ。

コンパクトである一方、雅で雰囲気もよく、
和室だけでなく、洋室に飾っても
具合よいので人気上昇中です。

リヤドロは、シリアル番号で管理した
限定作品を製作していたりします。

節句人形もそのひとつで、特定の限定モデルは
売切れ次第なくなります。
よって、時を経て、そのお人形に価値が出る可能性を残すことができるのです。

デメリットは、お人形に関して内裏雛のセットという
パターンしか選択肢がないこと。
(三人官女や五人囃子などはおりません)。

価格のわりに、小物類が充実しにくいことかと思います。

陶磁器なので、長年にわたり色あせることなく楽しめて
虫食いのリスクにさらされない点はメリットですが、
地震には弱く、うっかり落としてしまうと割れるので、
置く場所に気を遣わなければなりません。

また、高価ですが、いわゆる日本古来の雛人形と
表情が異なるので、そのお顔立ちが気に入るかどうか、
という点もあるかと思います。

そうしたメリット・デメリットを考慮の上、
ひとつのアイディアとしてとりいれてみてはいかがでしょうか。

気になる方は、デパートや、ルノーブルなど、
海外の陶磁器を扱う専門店に出かけて
実物を確認されるとよいかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵なお人形とめぐりあわれることを願っています。

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