『茅の輪くぐり』は、
無病息災を願う神事のひとつ。

家族や知人の健康や無事を願い
参加する人も近年増えており、
人気の行事となっています。

そこで
●「茅の輪くぐり」の意味や由来、
●正しいくぐり方とお作法、
●やってはいけないNG行為、
について、まとめてご紹介します。

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茅の輪くぐりとは?

茅の輪くぐり京都由来くぐり
出典:http://blog.livedoor.jp/hrtk8-sairei_g/archives/7194950.html

「茅の輪くぐり」は、
「茅輪神事(ちのわしんじ)」と言われ、
茅の輪を通り抜けて
無病息災を祈る神事のひとつです。

旧暦の6月末に行われる
「夏越の祓」では、
京都をはじめとする多くの神社で
「茅の輪くぐり」が行われます。

神社では、
参道の鳥居や、笹の葉を建てて
注連縄を張った結界の中に、
茅で編んだ直径数メートルほどの
輪が拵えられます。

その輪をくぐることにより、
半年間に溜まった病と穢れを落として、
残りの半年を無事に過ごせるよう
願うというものです。

「茅の輪くぐり」は、
「輪越祭」と呼ばれることも。

茅の輪とは?何できているの?

茅(ち=かや)とは、
●茅萱(ちがや)
●菅(すげ)
●薄(すすき)など、
美しい緑色の葉を持つ植物の総称です。

茅の輪くぐり京都東京くぐり

ススキの穂は秋に見られますが、
茅萱(ちがや)の穂は春先、
群れをなすように美しく揺れます。

「ちがや」はイネ科の多年草。
田の畔や草地、道路脇など
日本全国どこにでもみられます。

漢字では「茅萱」と書きますが、
「茅」とは「かや」とも読み、
「すすき」や「ちがや」などは、古くから
屋根葺きの材料として利用されるなど、
古くから、日本人の暮らしと
密に関わってきました。

「茅の輪くぐり」とは、
これらの葉で拵えられた輪を
くぐり越えることで、
罪やけがれを取り除き、
心身が清らかになるよう
お祈りする行事のことをさします。

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茅の輪くぐりの由来は?

茅の輪くぐりの由来は、
実は古い時代に遡ること奈良時代の
故事にちなんでいると言われています。

「備後の国風土記(びんごのくにふどき)」
にはこんな日本神話が登場します。

茅の輪くぐりスサノオノミコ

主人公は、
●素盞鳴尊(すさのおのみこと)。

ヤマタノオロチを倒したとされる、
勇気ある若者です。

とある日、
素盞鳴尊は、南海の神の娘と
結婚するために、旅に出ました。

その旅の途中で、素盞鳴尊は
旅の宿を求めることになります。

求めた先は、
●蘇民将来(そみんしょうらい)、
●巨旦将来 (こたんしょうらい)、
という2人の兄弟。

弟の巨旦将来は大変裕福。
しかし、
素盞鳴尊の宿泊を
にべもなく拒みました。

一方、
兄の蘇民将来は貧しい生活。
しかし、
素盞鳴尊の宿泊を快諾し、
厚くもてなしました。

その数年後、素盞鳴尊が
再び蘇民将来のもとを
訪ねると、こんな教えをうけます。

「もし悪い病気が流行ることがあった時には、茅で輪を作り腰につければ病気にかからない」

素盞鳴尊は、教えに従って
腰に茅の輪を下げました。

そして、
疫病が流行。

巨旦将来の家族は病に倒れ、
蘇民将来とその家族は
茅の輪で助かるとともに、
その子孫に至るまで厄疫なく栄えた。

そんなお話です。

故事から生まれた信仰と茅の輪サイズのヒミツ

この日本神話にちなんで、

「”蘇民将来”と書いた紙を門にはっておくと災いを免れる」
「茅の輪を腰につけると病気にかからない」

という信仰が生まれました。

茅の輪のサイズは、
当初は伝説のとおり、
「小さなものを腰に付ける」
というものだったそう。

茅の輪くぐり作法由来故事
出典:http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-450.html?sp

ところが、
時を経るうちに
次第に茅の輪のサイズが大きくなり、
江戸時代初期には、

「大きな茅の輪をくぐって罪や災いと取り除く」

という神事の形が出来上がったようです。

茅の輪のくぐり方と正しいお作法は?

神社に参拝する方法にも
お作法があるのと同様に、
無病息災を願うための神事である
「茅の輪くぐり」には、
くぐり方についてのお作法があります。

そこで、次の記事では
●茅の輪の正しいくぐり方とお作法、
●やってはいけないNG行為
について、ご紹介します。

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