子育てをしている時、
一番センシティブな問題のひとつが、
子供の叱り方ではないでしょうか。

寝顔と笑顔がかわいいわが子でも、
思わずイラッとしたり、
しかりつけたりしてしまう場面って、
どなたもご経験があると思います。

そこで、今回は、
育児の悩みどころのひとつである、
子供の叱り方」をテーマに、
以下のトピックでお届けします。

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叱り方は難しい?バランスが必要な理由とは?

新生児のころは叱るというよりも、
ママがお世話に忙殺される時期。

しかし、
次第に成長してコミュニケーションの力が
高まるにつれて、
赤ちゃんの時は許されたことも、
許されなくなってきます。

子供であっても守るべきマナーが、
増えるし、公共の場では、
より一層求められるようになります。

一方で、
子供たちは好奇心の塊。

何にでも興味を示し、
夢中になり、
遊びに変えてしまいます。

難しいのは、
大人が介入する時の
さじ加減と方法」。

あれもダメこれもダメと、
何でも叱り、 抑え込むと
周囲を気にしてばかりで、やる気や
自主性が育たなくなる弊害が出ます。

しかし、何でもかわいさあまり
野放しにしするのが愛情
というわけでは、決してありません。

むしろ、社会性や協調性を
獲得できなければ、
将来困ることになるのは
子供たち本人である可能性が高いのです。

子供はピュアな心で生まれてくる

子供への叱り方について考える前に、
ぜひおさえておきたいポイントがあります。

それは、「物事の善悪の価値観を
育てていくのは、親のひとつの務め」である、
ということ。

「手は離さないで、子供の成長を見守る」
ことが大切だということ。

以前、先輩ママが自分の育児体験を振り返って
さりげなく語ったことばです。

結婚式のときに
純白のドレスを着るように、
子供は、まっさらな心で
生まれてきます。

最初から、
悪いことをしてやろうと
思って生まれてくる子は
ひとりもいません

逆に、
何がよいか、という価値観も、
子供たちは生まれつきもっていません。

つまり、
「良いこと、悪いことの
価値基準がまっさら」の状態なのです。

そのため、子供たちは、
身近な日常生活を通して
物事の良し悪し、いわゆる善悪の価値観を
身につけていくことになります。

子供を叱るときのコツ5選

子供たちの目線で言い換えれば、
「日ごろ、どんなことで褒められ、
どんなことで怒られるのか、という
具体的な体験」が、
子供の快・不快に働きかけ、
本人の価値観を作っていくことに
つながります。

だからこそ、
叱り方を間違えると、
子供たち自身を傷つけたり、
親子関係を壊すことにも
繋がりかねません。

怒り方にも、
おさえておくべきコツがあります。

①ママが冷静になる。大声で怒鳴らない。

特に女性は、感情や表情が豊かで、
怒り心頭になると、つい声が大きくなりがち。

親からすれば、
怒った表情で、大きな声で注意すれば
怒りの本気度が子供に伝わるような
気がしてしまいますが、実はこれは誤解。

大きな声はそれだけで暴力と等しく、
子供たちは恐怖心から萎縮し、
肝心の話の中身が子供たちの耳に
届かなくなってしまいます。

②注意はその時その場で簡潔に。

時間が経ってからでは、
どのことを言われているのか、
子供たちも混乱します。

ルール違反や、人を叩く、噛むなどの
問題行動があった場合は、
事象が起きたその時にすぐに注意しましょう。

だらだら長引く話は、子供に届きません。
要点を短く、わかりやすいことばで
子供に伝えると効果的です。

③叱る時には理由を伝える。人格を否定しない。

要点といいましたが、
●何がダメなのか、
●なぜダメなのか、
理由を伝えるとよいでしょう。

関係のない話を引き合いに出したり、
「なにやってるの!」
「バカじゃないの!」
「ママなんで怒ってるの?」と
茫然としている子に「自分で考えなさい!」
などと怒鳴りつけるのはNGです。

④親都合で怒らない。

親が急いでいる時に、
子供がもたもたしているように見えたり、
親にはどうでもいいことに思えても、
子供にとっては凄くこだわっていることで、
時間がかかったりすることがあります。

特に、イヤイヤ期など、
自分でやりたい、親の手をかりたくない、
といった思いが強く出て、
一つの動作に大幅に時間がかかることも。

そんな時、
イライラして「もう、早くしてよ!」と
怒ってしまいがちですが、
実は、親の方も、ゆとりをもって準備するなど、
できる工夫があったりするものです。

予定どおりにいかなかったことによる
大人のイライラを、
子供たちにぶつけないようにする、
ということも、案外大切。

⑤子供と事前に約束をする、ルールを作る。

子供たちをやみくもに叱ることのないよう、
要所要所でポイントを押さえた注意を
するためには、ルール作りも有効。

例えば、ひとつの例として、
生活習慣に関するお家の中の約束事を、
簡単に定めます。

●朝は7時に起きる。

●夜は、20時半までにお布団に入る。

●食事は、全部1種類ずつは食べる。
(好きなものだけ食べて、
嫌いなものを残さない。
でも、食べる量は、
自分の体調やお腹に合わせて
自分で決めてよい。)

●お楽しみのデザートは、
食事の最後に食べる、などなど。

実際にわが家で実践していたことですが、
子供から理由を聞かれたら、
「からだは寝ている間に大きくなるから、
子供たちがよく寝て元気に大きくなるため」
と伝えていました。

かけっこが好きな子には、
「大きくなったら、背も足も長くなって
もっと駆け足が早くなるよ」と
伝えてあげるのもよいかもしれません。

デザートに関しても、おやつや果物を
先に食べたがります。
そんなときは、
「おかずやごはんが体を作ってくれる。
おやつでからだは丈夫にならないよ。
だから、おかずやごはんを食べてから
最後のお楽しみにしようね」
といった具合で説得。

その上で、まだだだをこねたら、
「ひとつずつ食べておりるか、
全部食べてデザートまでいくか、
どっちがいい?」
と子供に選ばせてあげます。

どうしても、デザートがほしかったら、
子供は自分で選んだ結果に対して
達成しようと頑張ります。

こんな風に、
●身近なことで、家族のルールを作りながら、
●子供が自分で選ぶという
ことをポイントに、
「親がさせる」のではなく、
「子供が自分で決めて達成する」
というプロセスを大切にしながら、
子供たちを導き、見守ってみては
いかがでしょうか。

ルールや約束をすることのメリット、親も守ることが大切

おうちの最低限のルールを作ったり、
大人が子供と約束をして、互いが守ることには、
メリットがあります。

まず、
ルールや、約束を作ったら、
それを守る・守らないという観点で、
叱る理由が親にも子にも
はっきりわかりやすくなります。

また、
あらかじめルールを示すことで、
約束を事前に子供と親の間で共有できるので、
子供にとっても心づもりができ、
(子供にとって)想定外の行動に対して、
いきなり叱られるという状況が減ります。

子供は大人とは違った感性や集中力を持っています。
なにかに夢中になっているとき、
その興味から生まれる集中力を
大人の都合で、安易に断ち切らないためにも、
タイミングを見計らって、
事前の約束をしたうえで、
子供が一定の枠の中で、選び行動できるという
意味での、一種の”責任ある自由さ”が、
子供の自己決定の力を伸ばし、
同時に社会性・協調性も
育ててくれるのではないでしょうか。

ちなみに、家庭の中で作ったルールは
親も守らなくてはなりません。

母親は守るけれど、 父親は破るというのでは、
子供たちへの説得力もありませんよね。
だから、
家庭のルールについては、
夫婦の協力も大切になってきます。

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1、2、3、4歳、叱り方のコツは年齢で変化する?

さきほども少し触れましたが、
イヤイヤ期には、
子供独特のこだわりがあるので、
自主性を尊重するためにも、
「自分でやりたいから想定外の時間がかかる」
という問題については、
親があらかじめ時間に余裕をもって
行動するなど、まだまだ親が譲歩しないと
いけない場面も多いかと思います。

ただし、叩く、噛む、押す、
大声で公共の場で暴れるなどのNG行為には、
年齢の如何にかかわらず、きっぱりと制止して、
はっきり「ダメ」を伝えることは
とても大切だと思います。

3歳を超えて、ことばへの理解も深まると、
丁寧にコミュニケーションを
重ねながら導くことで、
感情的な怒り&叱り方に頼らない
トラブルの解決方法が使えるようになってきます。

例えば、実際にわが家で
よく使っていた例をご紹介しますね。

こういうケースには「置き時計」が案外有効

3歳ぐらいだと、食後の
歯磨きを嫌がってしないときもあるでしょう。

すると、
「早く歯磨きしなさい!」
と怒りたくなりますよね。

あるいは、
たくさん遊んで部屋中おもちゃで散らかってる。
もう寝る時間なのに・・・。

すると、
「早く片付けてしまいなさい!」
と怒ってしまうか、
その方が早いからと大人が片付けてしまう・・・。

実は、どちらも、
子供の自主性を生かして
活躍してもらうチャンスを奪ってしまっています。

そんな時は、ぜひ
こんな方法を試してみてください。

時計を使って、
子供たちと親が「小さな約束」をする形に
導いていくんです。

デジタルではない「置き時計」だと
時間の移り変わりが、
針の動きで物理的にわかるので、
ひとつ置いておくと大変便利です。

「今、時計の針がここまできてる。」
と指をさしながら伝えます。

「いつも寝る約束の時間まで、
もうあと10分しかない。」
と、事実を伝えます。

「●●ちゃんは、寝るのに、
おもちゃは眠れないなんてかわいそう。

それに、夜暗い中、パパが帰ってきて
お部屋を歩いておもちゃを踏んだら、どうなる?

おもちゃも壊れて
パパも足怪我しちゃわないか、ママ心配だな~」
などと、片付けが必要な理由を伝えます。

これですんなり動いてくれたらいいのですが、
なかなか着手しないときもありますよね。

そんなときは、子供に打診します。

「●●ちゃんは、いつまでにお片付けしようと思う?」

子供があまりにも法外な時間を言ったり、
応じない場合には、
「じゃあ、●●ちゃんがお片付けしないんだったら、
ママが片付けしちゃおう。
そのかわり、ママがおもちゃもらおうと思うの。
●●ちゃんは、どっちがいい?」

などとと伝え、自分で片付けするか、
片付けしなくてもいいけれど、
もうそのおもちゃで遊べなくなるか、
どちらかを選ばせてあげてみて下さい。

わが子の場合は、
たいてい自分で片付けを始めます。

もし、そうでない場合は、
本当に有言実行で、おもちゃを
手の届かないところに片付けてしまいます。

こういうことを繰り返すと、どんどん
お気に入りのおもちゃが減っていくはず。

この事態をどう考えて、
次に同じ状況が出てきたときに、
どんな風に行動するかは、
子供たちの学習にゆだねてよいと思います。

子供たちに選ぶ権利を!カウント10の法則

わが家で、もうひとつ、
ことのほか有効だった方法が
「カウント10の法則」
です。

これは、文字通り、10数えるのですが、
親が10数える間待つので、
その間の中の好きなタイミングを選んで
実行してね、というメッセージです。

例えば、先ほどの歯磨きの例。

「歯磨きしよう」と誘っても、
「いや!」と言われて、
すぐに応じてくれないことが殆ど。

例えばパズルに集中しているときは、
今すごく集中してるんだな
と理解して親が譲歩し、
「じゃあ、パズル終わったらしよう」と
約束することもありますが、
特段の理由もなくわざと「いや!」と
言ってるなと思ったときは、
「カウント10はじめるよ!」と言って
10数え始めます。

すると、
なぜか10の中で行動を終えることを目標に、
子供たちが自分から動いてくれる
ことが多くありました。

この方法は、
2人以上の年の近い兄弟がいたら
より効果的で、
「どっちがはやいかな、よーいスタート!」
と数え始めるとわれ先にとかけてきてくれます。

寝る前にトイレに行くときや、
チャイルドシートに座る速さなんかも、
これで競う時がありました。

目標が設定されることで、
その時間内に達成しようという、
ゲーム的なお楽しみの感覚が
生まれるのかもしれません。

また、この方法は、
いきなりはじめても何のこっちゃ・・
かと思います。

例えば好みのクッキーや
プチトマトなど、
普段の身近なものの中で、
数を一緒にかぞえたり、
数を数えることの楽しみをぜひ
実践してあげて下さい。

ロケットの好きな男の子は
ロケットの打ち上げ映像を
頻繁に見ているうちにカウント10を
すっかり理解して楽しみだしたり・・・
といったこともありました!

また、
運動の好きな女の子は、
トランポリンの記事でご紹介したように、
トランポリンで跳びながら、
数の感覚を身に着けた、という
こともありました。

数のセンスを自然に身につける
コツも、案外日常の
ささいな遊びの中にあったりしますので、
ぜひその子の興味を生かした
お楽しみを一緒に見つけて
楽しんであげて下さい。

最後に

叱るたびにいつも思うのですが、
叱ったことが、子供たちに
効果的に届くためには、
普段からの親子関係、
特に信頼関係がベースにあることが
不可欠だなと思います。

親心子知らずとは
よく言ったものですが、
怒り心頭の表情の裏に、
(いらぬおせっかいかもしれないけれども)
実は、将来の子供に対して
親が本当に心配な気持ちを持っていること、
怒り心頭になるぐらい
子供を愛しているということは、
怒りの表情からは案外伝わらないものです。

本気で怒っているときも、
憤怒の表情で子供を叱りとばすのではなくて、
ぜひ、あなたのことが好きで、
大きくなったときに
こんな風になってほしくないから、
ママは本気で心配して、こんなに怒ってる、
と、極力ことばで理由を添えて
伝えてあげてみてはいかがでしょうか?

そして、
叱る必要のないときには、
たくさんたくさん抱きしめてあげて、
あたたかいことばをかけてあげて、
大人が子供の目線になって、
一緒に遊んでみて下さい。

自分なりに、紆余曲折ありながらも
育児を経験してみる中で、
叱っている意味が届く一番のコツは、
叱り方そのものというよりは、
普段から自分がどれほど愛されているか
という実感を得ていることにあるのではないかと、
そんな風にも思います。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

どうぞ他の記事も
ごゆるりとお楽しみ下さいませ。

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